ピンクイグアナってどんな動物?<速報!学術論文引いてみた!!>

今回は沖縄ネタでも何でもありません。

TVの巨大生物特集(日曜ファミリア)で以下のような気になる内容をやっていたので、ちょっと詳しく調べてみました。

番組企画の概要は、

ガラパゴス諸島のIsla Isabelaに、世界にここにしか生息しないピンクイグアナがいるので、捕獲しに(と言っても抱えるだけ)行く!

というもの。

気になったのでピンクイグアナってどんな生物なのか調べてみました。

…で、ヒットした論文がこちら!

Gentile & Snell, 2009. Conolophus marthae sp.nov. (Squamata, Iguanidae), a new species of land iguana from the Galápagos archipelago.Zootaxa 2201: 1-10

(原文は英語ですが、興味を持った方は是非読んでみて下さい!)

簡単に解説しますと、

  • 2009年、著者らはIsla Isabela島北部のVolcan Wolf火山から新種のイグアナを記載
  • 特徴はなんと言っても体の色で、ピンク地に黒のストライプが所々はいる
  • このイグアナはガラパゴスに生息する他2種のリクイグアナとは形態・行動・遺伝子が異なっている
  • 分類学的にも十分重要な発見だけど、ガラパゴスのイグアナの進化史を紐解く上でも超重要
  • リクイグアナ類は縄張りを主張するためにヘドバンのような動きをする(!)が、そのヘドバンの動きも他のリクイグアナと明らかに違う

なぜピンク色をしているかですが、ウロコを剥がしてそのウロコから血が抜けてしまうとピンクでなくなってしまう、とのことなので、血の色が透けているのかもしれません。

リクイグアナにはすでに2種が知られていましたが、この2種は遺伝的にお互いに近い(ミトコンドリアDNAで2%以内の差異)のに対し、新種の方はかなりかけ離れている(ミトコンドリアDNAで約7%の差異)とのこと。

その遺伝的な差異をもとに新種のリクイグアナの祖先が他2種の祖先と分かれた年代を推定すると、何とガラパゴス諸島が現在のような形になるずっと以前なのでそうです。いったいどこで進化を遂げたのでしょうね。気になります。

論文に載ってた写真がこちら。

論文から引用したピンクイグアナ
<原著論文より>ピンクイグアナ
論文より引用したピンクイグアナの写真
<原著論文より>ピンクイグアナ

Gentile & Snell, 2009より

この他にも論文には多数の写真が掲載されています。あんまり引用の写真を記事にベタベタ貼るのも気が引けるので、気になる方は是非リンクに飛んでみてください!

ちなみに学名はConolophus marthaeというのですが、このmarthaeという名前(種小名といいます)は著者の娘さん(死産で、生まれてこなかった)を偲んでつけられた名前だそう。

このイグアナは2009年のすこし以前から存在は知られていたものの、ガラパゴスに普通にいるリクイグアナの個体変異、つまりたまたま変な色彩になった個体だと思われていました。

それが何と、Isla Isabela島北部のVolcan Wolf火山という非常に限られたエリアにしか生息しない新種のイグアナであることが分かってビックリ仰天。

昆虫や小型の魚類ならいざしらず、爬虫類で新種が見つかるというのはとんでもなく珍しいことです。それもこんな1mにも達する大型の種で。

これまで発見されなかった理由は、テレビ番組の内容でも触れられていましたが、このイグアナの生息場所がヘリでしかアクセスできないような火山のふもとに限られていたため。しかも現在ここは特に厳重に保護されていて、一般の人は立ち入ることができません。

いやしかし取材クルーうらやましい。一度でいいからこんな場所行ってみたいです!!

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