沖縄の紅葉-記録的な冷え込みで、モモタマナ(コバテイシ)が例年になく綺麗に紅葉したよ-

沖縄に住んでいると、ほぼ一年中生物の気配が絶えません。真冬でも花は咲くし虫は鳴くし、なんなら晴れた日には蝶も飛びます。生き物屋にとってはパラダイスですね。

ただ寂しいのは、日本人にとっては自然界の一大イベントである「紅葉」がないこと。

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深夜、実家の八王子にて(FUJIFILM X-E2 + carl Zeiss Touit 32mm F1.8)
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飲み会でしたたかに酔っ払った帰りに(FUJIFILM X-E2 + carl Zeiss Touit 32mm F1.8)

あと初夏の何とも言えない爽やかさですね。この2つのシーズンだけは、本当に本州の自然と気候が恋しくなります。

ですが、紅葉する樹が全くないわけではありません。一斉に木々が紅葉するような様は見られませんが、落葉する前に葉が紅く色づく植物は沖縄にもあります。

その中でも今回、巨大な葉を持つモモタマナ(別名コバテイシ)が、先頃の大寒波の影響でちょっと例年にないくらい見事に色づいたので、今回はその写真メインでお届けします。

カメラ FUJIFILM X-E2
レンズ FUJIFILM XF16mm F1.4 R WR

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1枚の葉が優に20cmを超えます。
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青空とのコントラストがいい感じ
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もともと海岸に多い植物ですが、ナイスな木陰を作るので街路樹としても好まれています。
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ちなみにモモタマナの種子はこんな感じ。海流に乗って海を渡る「海流散布種子」です
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がさがさ。久々に紅葉の気分を味わえました。

 

紅葉の仕組みについて

さて。

今回のエントリを書くに当たって紅葉の仕組みを調べてたんですが、これが思いの外、すごい泥沼だった(科学的な意味において)ことにびっくりしました。

端的に言うと、「どういう仕組みで葉が紅くなるか」については一般的に言われている科学的根拠の99%が誤りで、「何のために紅くなるのか」に至ってはいまだに全く分かっていないとのこと。

ややこしい話ですが、順を追って説明しますね。

そもそもなぜ葉が緑色に見えるの?

これは確実です。葉が光合成で栄養素を生産するときに「クロロフィル」という色素を使いますが、これが緑色をしているのです。より正確に言うと、「緑以外の色の光を吸収し、緑色の光を跳ね返すので緑色に見える」ですね。

葉が黄色くなるのは

葉が黄色に見えるのは、カロテノイドという色素を含んでいるためです。

カロテノイドにはいろいろ種類はありますが、だいたいが暖色系の色をしています。ニンジンの色もエビの色もこのカロテノイドの色ですね。カロテノイドは最初から葉に含まれていて、植物の体を有害な光や活性酸素から守る役割を担っています。秋になりクロロフィルが作られなくなると緑色が抜け、この黄色が目立ちます。

葉が紅くなるのは

で、ここからが問題。

紅の色の原因についてはハッキリしていて、アントシアニンという色素ができるためです。アントシアニンは多くの植物に見られる色素で、赤〜紫〜青色の花・ベリーなどの果実の色などはすべてこのアントシアニンの色です。

ではなぜアントシアニンができるのか。巷の99%の解説はこんな感じです。

落葉が近くなると、葉で作られる栄養分の行き来が葉の付け根でストップし、行き場のない糖分やアミノ酸がたまり、そこに紫外線が当たるとアントシアニンが作られる

これだと、アントシアニンは副産物的に「できちゃった」的な解説ですね。国立科学博物館の解説もこうです。が、Wikipediaには気になる一節が。

「葉柄の付け根に離層ができ、葉で作られた糖類やアミノ酸類が葉に蓄積し、その糖から新たな色素が作られる」とする俗説は誤りである。

なんですと!

日本植物学会のQ&Aのコーナーにすごーく詳細な解説がありました。

詳細はリンクに飛んでいただくとして、どうやらアントシアニンは植物にとって「作るのが相当大変」なシロモノで、紅葉を起こす植物はそれを相当複雑な反応経路を経て「わざわざ作っている」ようなのです。

そして、そんなものをなぜわざわざ作っているのかは「今のところよく分からん」のだそうで^^;

子供に聞かれた時に困る、という方のためにまとましょう。

Q 葉が黄色くなる原因は?
A カロテノイドという色素の色だよ。

Q 秋になると黄色くなる理由は?
A 緑色の色素(葉緑素)がなくなっちゃうからそう見えるだけなんだな。

Q 葉が紅くなる原因は?
A アントシアニンという色素の色だよ。

Q 秋になると紅くなる理由は?
A  さあ。

Q  アントシアニンはどこから来るの?
A  超ややこしいよ。自分で調べなさい。

落葉は樹にとっての「投資引き揚げ」

はい^^;

紅葉の仕組みって難しいですね。ただ「落葉樹はなぜ冬になると葉を落とすのか?」はとてもシンプル。「葉を持つコストが合わなくなるから」です。

葉というのは植物にとって、主に光合成をおこない栄養分を作り出すための器官です。

冬になって寒くなると光合成の効率が悪くなり、ついに光合成で得られる「利益」(=栄養分)が葉を維持する「コスト」(=エネルギー)を割り込むと、「儲からないビジネスは撤退!」とばかりに植物は光合成を止めてしまいます。

その際、リサイクル出来る材料はとっとと分解して葉から運び出し、幹に蓄えてしまいます。クロロフィルが分解されると書きましたが、これもそういうこと。

で、不要になった葉は「肥料にでもなればいいや」とばかりに落としてしまいます。

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合理的ですね、植物って。

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