沖縄の緑のトカゲその①〜スレンダー美形な「アオカナヘビ」〜

トカゲとカナヘビ

突然ですが、「カナヘビ」ってトカゲの仲間なのはご存知でしょうか?

「ヘビ」とついていますが、ちゃんと足が2対4本あり、どう見てもトカゲのフォルムです。

トカゲとの見分け方は簡単で、トカゲは体の表面にヌラっと濡れたような光沢があるのに対して、カナヘビは光沢がなくウロコもカサカサとしています。

郊外〜田舎で育った方の中には、カナヘビが子供の頃の遊び相手でした、という方も多いのではないでしょうか。僕の住んでいた地域ではニホントカゲ(若い時、しっぽが青いトカゲ)よりも断然数が多く、やたらと捕まえていました。

餌を切らして飼育中に死なせてしまったり、もっとひどい時はカマキリの餌にしたり。いや、子供って本当ひどいですよね。自分自身なんですけど。

カナヘビは「珍しくないけど、いればとりあえず手癖で捕まえちゃう獲物」

ニホントカゲは「見つけたらアドレナリン大放出、捕まえられたら3日くらい小躍りするべき獲物」

子供ながらにそんな勝手な「格付け」をしていたのを、鮮明に覚えています。

南西諸島固有種の「アオカナヘビ」

さて、沖縄には、子供の頃の僕が見つけたらその場で卒倒するくらい興奮していたであろう、美しいカナヘビがいます。

それがこちら。

カメラ Panasonic DMC-GH4
レンズ LUMIX G MACRO 30mm F2.8 ASPH. MEGA O.I.S.
フラッシュ 内蔵フラッシュ使用
P1770170
アオカナヘビ。全長20cmほどの個体

 

沖縄本島を含むいくつかの島にのみ分布する、南西諸島の固有種です。

この個体はメスで全身緑色ですが、オスは背中だけが緑色で体の側面は茶色をしています(もっと南方のサキシマカナヘビ・ミヤコカナヘビはオスメスともに全身緑色をしています)〈ニョロおやじこと、橋本先生のご指摘を受け追記〉。

どちらかと言えば森の中などより、炎天下、太陽がギラギラ照りつける草むらなどで見られます。緑の体色が保護色になっているということは言うまでもありませんね。

カナヘビ類の中でもとりわけ尾が長く、この尾を草の弦などに引っ掛けてぶら下がるような芸当も見せます。

P1770163

 

さてこのアオカナヘビ、沖縄ではあちこちで「昔に比べて見かけなくなった」と言われています。

でもこういうのって「よくある話」で、絶滅危惧指定なんかがかかっている種を除けば、それをちゃんと検証した記録はなかったりします。

ところが、このほど那覇市の中学生達がちゃんと検証してくれたそうです。
http://science.ryukyushimpo.jp/e7969996.html

沖縄本島の各地で聞き取りでジューミー(沖縄の言葉でアオカナヘビ)の生息の有無を調べ、さらに生息地の調査までしてアオカナヘビが好む・生き残れる環境を調べた、というのだから恐れいります。

調査の結果言えたのは「減ったと言われている割には、意外と各地で生息が確認できた」ということだそう。

とても喜ばしいことではあります。が、逆に言うと「見なくなった」のはそれだけ人々が地域の自然に目を向ける機会が減ったと考えることもできます。

アオカナヘビは見事な保護色ゆえ、生き物を探す目的を持ってあえて草むらなどに入らないと、いてもなかなか見つかりません。そんな遊び方をする子供、それに付き合う大人が減ってきたのかも。

子供から自然を取り上げてはいけない。

ここで冒頭の僕の子供時代の話を正当化したいわけではないのですが、子供がある程度地域の自然に入って生き物を捕まえたり、飼育したり、標本にするという触れ合い方は「自然」とはどういうものか、というリテラシーを育む段階で必要なのではないかなと。

命の教育の延長で、「自然や生き物を大事に」と言って子供から自然を”取り上げて”しまうと、むしろその子供は大人になった時に自然に感心を持ちにくくなってしまうと思うのです。

ベランダの虫カゴの中で1匹のトカゲが干からびている様は悲しいものです。でも、子供の頃から慣れ親しみ、普段なにげなく通り過ぎる場所に生息する生き物の個体群が、いつの間にか開発の波に飲まれ未来永劫消えてしまうというのは、実はそれ以上に哀しいことなのです。

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